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2007年3月21日 (水曜日)

RAW現像ソフトは重要だ…

僕は、Camediaの一部、DiMAGE A1時代からRAW撮影をしている。
理由は至極簡潔で、ビデオ時代からの悩みの種であったデジタル特有の問題「オートホワイトバランス」で、現像時にホワイトバランスの調整ができるのは堪らないからだ。
もちろん、露光補正ができるのも良い。白黒で自宅ラボだった時代は、焼きが自分できたから露光時間も自分で調節できた。カラーに(特にネガに)なってからは、DPE任せで撮影時の厳密な露出が必須になった。
露出計は、工学測定機器であり人間の感性とは少々差が生じる。機械的に適正露出でも、ニュアンスとして多少イメージと違う場合も少なくない。
RAWの現像はいろいろな調整ができるが、JPEGなどの出力画像をレタッチするのとはまったく違うものだと思う。

僕は、貧乏人なので高価な現像ソフトは使用できないのが現状だ。
よって、ペンタブにバンドルされていたPhotoshop Element3.0のCameraRAW(アップグレードしたCS2も使うが)と、市川ラボのSILKYPIXのフリー版を使用している。
SILKYは現像ソフトとしては秀逸だが、どうも現像だけのために16800円を出すのは…

↓↓以下に続く↓↓

デジタルカメラは、ビデオカメラの流用技術によるものらしく、撮影から作品制作(ビデオの場合は上映)間での過程にいくつかの共通点がある。
そのひとつがホワイトバランスで、もうひとつが輝度レベル調整だ。
なんにしても、銀塩時代にフィルムとレンズで片がついた問題の多くが、カメラに左右されることになったのは大きい。これを初めて体感したのは、ビデオカメラだった。

ビデオカメラでの撮影でもっとも重要なのは、ホワイトバランスであると思う。
そのため、ビデオを使い始めたころは、必ず決まった素材の白いTシャツを着る様にしていた(笑)。
カラーサンプルを持ち忘れたときに、ホワイトバランス調整の代用品になるからだった。
初期のコンパクトデジカメにはオートホワイトバランスしかなかったが、搭載されるようになってからは同じ様にサンプルや白シャツを代用していた。
少なからず、イメージセンサが吸収するのはエネルギー準位別の強度であって、補間処理演算で画像を構成するため、事後のWB・レベル・露光時間を調節するのは写真として嘘ではない。
他方で、出来上がった画像に対して変色や加色・コントラスト調整を施すことは、大げさに言うと嘘に近いだろう。

レベル調整はフィルムをスキャンするようになって重宝したが、銀塩時代とデジタルでは多少ニュアンスが違う。
フィルム時代(特にネガ)は、ダイナミックレンジが大きすぎるのでレベル調整を行うと量子化的には合理化され、鮮明でコントラスト豊かな画が得られるのだったが、デジタルカメラでは多くの場合は逆だ。
ダイナミックレンジが不足するため、わざとレベル準位の低い画像を撮影して不要な部分をカットするのが使用法のもっともオーソドックスなものだ。
つまり、撮影時にヒストグラムを参照して白飛び・黒潰れ・色飛びが起こらないようにしておき、修正的にレベル調整をするのだ。
しかし、このレベル調整までは嘘とは呼べないと思う。センサーの出力した情報をゲイン調整的に変化しているだけで、一部を改ざんしている訳ではないからだ。

以前、「カラーフィルターは嫌い」と言ったが、この理由が「写真ではなくて画だから」と言うものに近い。入口光の一部の波長を制限するのは、その場の光を記録したものではないと思う。
厳密には、色温度変更も違うとは言い切れないのだが(フィルター調整できることからも明らかだが)、デジタルの場合のそれは「全体の変調」であって、少なくとも嘘ではないと思う。
レベルも、常時NDフィルターを使用すればよかったりもするのだが…
可変NDフィルターは存在しない(倍率的にしか調整できない)し、結局は補正が必要であり、全体の変調でもあるので嘘だとはいえないと思う。

こういう考えを前提にすると、RAW現像は虚像ではなく写真の製作過程の一つといってよいと思うのだ。
トリミングやシャープ調整は別としても、多くのレタッチは芸術的虚像だと思える部分も少なくないと思う。
故に、撮影と現像だけで完全に作品を形成することこそ、古来の写真の楽しみ方と捉えるのは大まか間違いではないと思う。
こうすると、RAW現像は非常に重要な部分だろう。

イメージセンサーの素性はどうにもならないとしても、カメラに画作りをされない点でRAW撮影は醍醐味深いものだと言える。
大袈裟に言えば、フィルム時代からデジタルにおける唯一の進化点であると言えるだろう。
鮮鋭度でも解像度でも、まさにダイナミックレンジなどは、ネガフィルムのそれには現状は遠く足元に及ばない。
発色とダイナミックレンジだけを言えば、フジのハニカムが、ようやっと「リバーサルフィルムに近づいた」と言えると思う。
僕は、元来「スライド派」で、カラーオンリーになってからはプリントを個人的にはしない。プリントするのは「写真が欲しい」と言われたときが殆どだった。
理由は、ガサツ的なもので「アルバムは邪魔だから」と言うだけなのだが…(笑)

ようやくポジフィルムと同等に使えるようになったデジタルだからこそ、現像の楽しみが増えたと言えるだろう。
写真を残すことが楽しいのか、撮影と製作が楽しいのか、と言うところで大分変わってくるが、後者にとってはRAWは大変に魅力的な存在だ。
量子化されたアナログ的データであるRAWは、そのまま画像にできないため現像処理が必要になるのだが、言わば「未現像のフィルム」とおなじであろう。
良い言い方をすれば、デジタルは何度でも現像をやり直せるのだ。
もっと分かり易く言えば、フィルム時代は違う調子の写真が欲しければ数種のフィルムで撮影を繰り返すしかなかったが、デジタルは一回でそれを可能にする。
故に、RAW現像ソフトは重要な存在なのだと思う。

PhotoshopのCameraRAWは、扱いやすく高速で悪いソフトではないと思う。
多くのカメラメーカーが、RAW現像ユーティリティーとして販売しているものに比べれば、一本のソフトで多数のメーカーのカメラを扱えるのは非常にありがたい。
しかも、多重露光的処理や芸術的処理を行うにも、レイヤー機能を備え、多くのフィルター機能を持つので、一本のソフトで現像からレタッチ、トリミングからプリントまですべてが行える秀逸なものだ。
しかし、RAW現像にだけ関して言えば、CS・Elementともに秀逸ではない。
出力が微小に大雑把で、設定項目も多くはないからだ。
唯一の美点は、高速であることだ。

僕が今一番欲しい現像ソフトは、市川ソフトラボラトリーのSILKYPIX DEVELOPER 3.0だ。
今は、Photoshopでの現像がメインで、高精細画像が欲しいときのみこれのフリー版を利用しているが、是非とも完全版が欲しいものだ。
フジのハイパーユーティリティを購入したことを今では後悔している(だって、ニコンが現像できない、笑)。
フリー版では、基本的な現像処理しか行えない上に8bit出力なのだが、基本的に歪修正や色歪修正を行わない僕にとっては十分なソフトだ。製品版を購入できないのは、本当に申し訳ないと思っている。
このソフトの秀逸な部分(フリー版)は、露出評価とWB評価の自動処理が正確なことで、かけ離れた値を出さないので撮影時のイメージを保ちやすい。
製品版では、その他の各種の補正や、RAW上でのトリミングが出来るので、お金があれば絶対欲しいソフトだ。
唯一の難点は処理が重いことで、多くのリソースを取るのと現像時間が長いことだ。
しかし、貧乏な僕が使用する旧態依然のマシンシステムでも十分に動く。
その他の機能のおかげで重いPhotoshopや、自社製品以外の現像が出来ないメーカー製ユーティリティに比べれば、素晴らしいものだと思う。
参考までに、AMD Athron XP2800+で1.25GBのメモリの僕のマシンでも、マルチタスクで稼動できる。現像時間は長いが、スーパーCCDハニカムのRAW現像(1212万画素)も同環境で行え、処理時間は一分弱である。
Nikon D80やD70の画像なら、30秒弱で現像が完了する。
当たり前だが、現像処理は、補正を多くすればその分時間がかかる。
僕のマシンで唯一ストレスを感じるのは、補正プレビューの計算時間ぐらいだ。

驚くのは、メーカー製品であるハイパーユーティリティを用い他場合と比べても、CCDハニカムの現像処理時間が大差ない点で、同様にニコンキャプチャーとも大きな差はない。
メーカー製のユーティリティの多くが、カメラ自身と同傾向の自動処理をするのに対し、どのメーカーのカメラのRAWでも統一感のある自動補正をする点も魅力の一つだろう。
メーカー製のユーティリティは、個性の在る使いやすさがあるが、多くのソフトを利用する場合には使い勝手を悪くする要因でもある。
特に、ニコンキャプチャーは独自思想の機能が多く(特にコントロールポイントの概念など)、一度使うとほかのソフトが使いにくくなる。

NikonのNEFファイル(RAW)は、取り回しも良く保存性に優れたフォーマットだと思うが、新バージョンは一気に変わってしまったので、多くの現像ソフトが旧バージョンでのサポートをしていない。
言い方を換えると、「ニコンのソフトで現像してね」的なファイルだ。
ニコンキャプチャー上で扱うには大変優れるのだが…
この点は、多くのメーカーのカメラRAWファイルが同様なのだが…
何とか、統一DNG(デジタルネガティブ)を規格統一して欲しいとも思うのだが…
画処理系を画一すること自体が、デジタルカメラの発展を阻害する要因でもあるので難しいだろうけど…

SILKYPIXは、各分野のプロの定評もあるようで、DNG(カメラRAW)に限らずスキャナーユーザーにも使用されることが多い。
理由は、JPEGやTIFFも独自のDNG形式に変換して、再現像処理が行えるからだ。
間違った使い方をすると、著作権侵害を擁護してしまうことにもなりかねないので、詳細な使用方法は述べないが…
一例を挙げれば、過去のフィルム写真の修正処理にも重宝する存在だ。
ストレージ容量の問題から縮小リサンプルしてしまった画像を、再調整したりノイズ処理をするにも最適なソフトであるだろう。

あぁ、5千円くらいなら買えるんだけど2万円はなぁ…
ちなみに、PhotoshopのElements3.0や古いCSでサポートしていない新しいRAWファイルも、現在のフリー版で現像が可能だ。
僕は、Elementsで整理をしてSILKYPIXフリー版で現像する使い方も、たまにしている。

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